胎児、幼児期被害の救済は 水俣病訴訟13日控訴審判決

 胎児、幼児期にメチル水銀の汚染被害を受けたとして、未認定患者でつくる水俣病被害者互助会の8人が国と熊本県、原因企業チッソに計約3億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日、福岡高裁で言い渡される。一審熊本地裁は3人の水俣病罹患(りかん)を認め、5人の請求は退けた。原告が訴える多様な症状が、水俣病によるものと認められるかどうかが焦点になる。

 原告は熊本、鹿児島両県の60~67歳の男女8人。チッソによる水銀汚染が深刻化し重症患者が相次いだ時期に、熊本県水俣市や周辺で生まれ育った。現在も手足のしびれなどの感覚障害やこむら返り、頭痛などの症状に苦しんでいる。

 8人は水俣病研究の第一人者である故原田正純医師に水俣病と診断されたが、行政は認定していない。7人は認定患者にチッソが支払う慰謝料の最低額と同じ1600万円を求め、重い症状の1人は約1億9千万円を請求している。

 最大の争点は、水俣病と認められるかどうか。原告側は8人が汚染地域で生活し、メチル水銀を含む魚介類を日常的に食べたことは明らかだと主張。新たに原告を診察した医師の証言を踏まえ「典型症状の感覚障害があり、他の疾患では説明できない」と訴える。

 国や県は、発症し得る程度の水銀汚染はなく、糖尿病など別の疾患の可能性が高いと反論。医師の診断手法は一般的ではなく、汚染魚を多食した客観的証拠も乏しいと主張している。

 2014年3月の一審判決は、3人を水俣病と認め、国などに計約1億1千万円を支払うよう命じた。5人は家族に認定患者がいないことなどを理由に請求を棄却。原告、国と県など双方が控訴した。

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