「拡大瀬戸際」警戒いつまで? 識者「4月ごろ」の見方も

西日本新聞 社会面 山下 真

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、イベント中止や外出の自粛が続いている。こうした警戒をいつまで続ければいいのか。

 「これから1~2週間が急速な拡大か、収束かの瀬戸際になる」。政府の専門家会議は2月24日、爆発的な感染の広がりを防ぐための見解を示した。これに照らせば、3月9日はちょうど2週間で一つの区切りとなっていた。

 同日夜、専門家会議は記者会見し、爆発的な感染拡大には進んでおらず「一定程度は持ちこたえている」とした上で、全国的な感染状況が分かってくる19日ごろまでは、大規模なイベント自粛などを続けるように求めた。

 長崎大熱帯医学研究所の森田公一教授(ウイルス学)は「強力な対策が実行されれば、4月には収束への兆しが見えるかもしれない」と話す。念頭に置くのは、中国の感染者が減少傾向にある点だ。

 森田教授によると、世界保健機関(WHO)が2月29日に発表した中国の調査報告では、中国の新型コロナウイルス感染者数は昨年12月末から約1カ月で急増後、1月後半に頭打ちとなり、2月下旬には新規発生が大きく減少している。

 「中国政府の厳格な抑え込みには一定の効果があり、2カ月ほどで収束の兆しが出た。日本でも感染拡大防止策を続ければ、流行曲線を下に向けられる希望がある」。そのためには、感染者を発見するための検査能力を高め、感染者と濃厚接触者の追跡調査を強化して感染連鎖を断ち切るなどの対策が不可欠という。

 新潟大の斎藤玲子教授(公衆衛生学)も「感染は3月から4月初旬にかけてピークを迎え、その後は減っていくのでは」とみる。

 感染が起きやすいのは、風通しが悪くて人の集まる密室。初夏に向けて気温が上がれば、部屋を換気する人が増え、感染リスクの低下が期待されるという。

 「政府は感染拡大を抑えるため、緊急事態宣言を検討し、国民の活動を制限しようとしている。ただ、経済の停滞や国民感情を考えれば、強い制約を何カ月も続けられない。自粛が求められるのは、4月ごろまでではないか」

 現在、ウイルスの検査態勢は限られ、感染者数の全体像は判然としない。研究者には「情報が乏しく、先行きは予測しにくい」との見方もある。 (山下真)

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