「ピーナッツ」のタイトルではぴんとこなくても…

西日本新聞 オピニオン面

 「ピーナッツ」のタイトルではぴんとこなくても、キャラクターのスヌーピーなら誰もが知っている。チャールズ・M・シュルツ氏(1922~2000)による米国の人気漫画だ

▼今年はこの漫画の連載開始から70年、終了から20年に当たる。それを記念して河出書房新社が全集を刊行中である。想定のほぼ倍に当たる予約が集まったという。主なファン層は50~60代だそうだ

▼最大のスターはビーグル犬のスヌーピーだが、主人公はあくまで飼い主の少年、チャーリー・ブラウンだ。他にも意地悪なルーシー、毛布を手放せないライナスなど個性あふれる子どもたちの言動がファンを楽しませてきた

▼この漫画では登場人物のやることのほとんどがうまくいかない。チャーリー・ブラウンの場合、たこを揚げれば木に引っかかり、野球チームは負け続け、好きな女の子に声を掛けられない

▼日本の人気少年漫画雑誌の大原則は「友情、努力、勝利」だったらしいが「ピーナッツ」はそれとはかなり違う。うまくいかないことばかりの人生とどう付き合っていくか。大人にも子どもにも教えてくれる

▼卒業式も終業式もなく学校が休みになった。好きな人に告白する機会を失って落ち込んでいる少年少女もいるのでは。「うまくいかない」はこの漫画のテーマだ。元ファン世代のおじいさんおばあさんにねだってみれば、意外と喜んで買ってくれるかもしれない。

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