「漁場環境悪化認めず」開門請求を棄却 諫干2、3陣訴訟 長崎地裁

西日本新聞 山本 敦文

 国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市)の潮受け堤防閉め切りで漁業被害が生じたとして、諫早湾内の漁業者33人が国に堤防排水門の開門を求めた2、3陣訴訟の判決が10日、長崎地裁であった。武田瑞佳裁判長は湾内の漁業不振と干拓事業の因果関係について「閉め切りで漁場環境が悪化したとは認められない」と否定し、開門請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

 堤防内側の調整池に海水を流入させる開門請求を巡っては、別の漁業者が提訴した1陣訴訟も昨年6月の最高裁決定で原告敗訴が確定。国に開門を命じた2010年の福岡高裁判決を最後に、司法の「非開門」判断が続いている。

 判決理由で武田裁判長は、堤防閉め切りによって、湾内の一部で潮流速の低下や、塩分濃度の異なる層ができる成層化の進行など環境変化が起きたと認めたが、「寄与の程度が大きいとは言えない」と判断した。

 その上で、原告らが生業とするアサリやタイラギなど漁業資源の減少は「他の海域にも共通し、閉め切りで生じた環境変化が漁場環境を悪化させたとは認められない」とした。ノリ養殖については収穫量の減少自体を否定した。原告それぞれの漁業被害や、国が確定判決で命じられた開門を行わないことに関する違法性には言及しなかった。

 2陣は10年3月、3陣は11年3月に提訴。原告は同県雲仙市と諫早市の漁協に所属し、10年の福岡高裁判決の勝訴原告よりも、堤防排水門に近い場所で漁業を営んでいる。(山本敦文)

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