休校でも自宅学習を、小学校が工夫 端末で遠隔授業や模擬DVD配布

西日本新聞 社会面 長田 健吾 岩谷 瞬

 新型コロナウイルスの感染拡大抑止のため全国で臨時休校が続く中、未履修の授業を補おうと学校が独自に児童への関わりを試みている。情報通信技術(ICT)を利用して学校と家庭を結ぶ“遠隔授業”をしたり、模擬授業を録画したDVDを配ったりと工夫を凝らす。状況によっては長期休校も懸念されており、取り組みは注目されそうだ。

 「Hello everyone(みなさんこんにちは)」。熊本市中央区の帯山西小では10日午前11時、教室のモニター画面に5年1組の児童38人の顔が映し出された。担任の佐浦武久教諭とオーストラリア出身で外国語指導助手(ALT)のリアム・ペレイラさんがパソコンに向かって手を振った。子どもたちも級友との学習に声を弾ませた。

 ビデオ会議システムなどを活用し、教室のパソコンと自宅にいる児童のタブレット端末を結んで実施。音声のやりとりもでき、英単語の発音練習や慣用句の使い方などを学んだ。佐浦教諭が質問し、挙手した児童が答える教室さながらの光景も。藤本翔太君(11)は「1人で家にいたから、友達の顔や声を見聞きできて楽しかった」と話した。

 熊本市は休校期間中、小中学100校の小5、中2の全生徒に、普段は授業で使っているタブレット端末の持ち帰りを許可。帯山西小は、1人では学習が難しい外国語活動と国語の支援を企画。1日20分程度、18日まで行う。同市では他に小中3校も同様の取り組みを計画しているという。

 大分県臼杵市の臼杵小では、先生らが算数の模擬授業を行い、録画したDVDを10日から児童へ配布し始めた。DVDでは、算数に未履修があった2~4年生の内容について、桑原幸八郎校長と算数担当の板井達彦教諭が授業形式で解説する。桑原校長は先生役、板井教諭は児童役に扮(ふん)し、「一緒に線を引いてみよう」などと呼び掛けている。同小は他教科はプリント配布で対応できるが、算数は「子どもだけの学習では理解が難しい」と判断した。

 本来45分の授業を20~30分に短縮し、未履修の15授業分をDVDに収めた。児童計121人に順次配布。DVDプレーヤーのない家庭には、同小のタブレット端末を貸し出す。桑原校長は「休校で学ぶ機会を失った子どもたちへの『学習補償』という気持ち。新年度の先生たちの負担軽減にもつながる」としている。 (長田健吾、岩谷瞬)

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