慣れたころにまた転院 連載・霹靂の日々【16】大島一樹

西日本新聞 くらし面

 脳外科の一般病棟入院に慣れ、梅雨の気配が漂い始めたころ、ソーシャルワーカーという、当時は聞き慣れなかった肩書の方から、呼び出されました。

 そこで伝えられたのは、転院しなければいけないという事実。私の頭の中はまた「ナゼ?」だらけになりました。まだ目を開けることも稀で、手足も動かせず、車いすに乗ることすらできていないオクサン。初めは「病院から見捨てられるのか?」と考えたほど。

 ソーシャルワーカーの説明によると、転院時期は「7月の初めには」とあまり日もありません。制度によって、転院先はリハビリのための病院を選ばなくてはならず、紹介もできる-とのことでした。

 その後にいろいろ調べると、患者の治療や回復の段階によって病院も「急性期」「回復期」「慢性期」に分かれており、それぞれ大まかな入院期間も決まっていることが分かりました。最初にお世話になっていた大学病院は、救命救急センターが併設された急性期の病院。頭骨を戻す手術も終えたので、オクサンは急性期を脱した、そんな判断だったのでしょう。

 それにしても、知らないことだらけの入院生活。治療の段階によって転院しなければいけないと、どのぐらいの方がご存じなのでしょう。環境が変わればオクサンも落ち着きません。途方に暮れるような、目と耳をふさがれて外に放り出されたような気分になりました。

(音楽プロデューサー、佐賀県みやき町)

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