「戻って来てとは」「風評拭えない」…感染公表で客激減の大分歓楽街

西日本新聞 岩谷 瞬

 大分県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認された30代女性=大分市=について、全濃厚接触者の陰性が判明したことで、県と市の調査に一区切りがついた。ただ、女性の勤務先の飲食店がある同市の歓楽街・都町では客足の戻りが鈍い。自粛ムードが続く中、店側も「お客さんに戻ってきてと言いづらい」のが現状だ。

 「共用部消毒済み」「店内はすべて消毒しています」。夜、都町を歩くと、ビルや店の入り口に貼られた紙が目につく。ただ、人通りは少なく、酔客の姿はほとんど見られない。

 県と市は3日に女性の感染と、注意喚起のため勤務する飲食店名を公表。6日までに女性の同僚ら47人の陰性が確認され、飲食店は「感染拡大の場になっていない」と結論づけた。

 だが、大分最大の歓楽街のにぎわいは感染公表前の状況にはほど遠い。居酒屋の50代男性店主は公表後、100人以上のキャンセルが入った。新たな予約も無く、「店名公表による風評被害は簡単に拭えない。いつまでも耐えられない」とうつむく。

 バーで働くアルバイト女性(20)は7日から無料通信アプリLINE(ライン)で常連客に来店を呼び掛けるが、「今は行けない」「落ち着いたらね」などの返事ばかり。「安心して飲めるようになったと思ったけど、客はそう捉えていない」と表情は暗い。

 別のスナックでは、国内で新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2月中旬から客が減り、3月は一桁台。経営する60代女性は「店を開けるほど赤字」と苦笑し、「スナックも不特定多数の人と密室で話す場所。もろ手を挙げて客に戻って来てとは言えず、つらい」と嘆く。

 都町では売り上げが7割近く減った店もあるといい、市都町連合会は公的な融資や補助制度が活用できないか市に確認している。佐藤俊孝会長は「悠長なことを言ってられない状況だが、いつ事態が落ち着くかは見通せず、公的融資などを活用して乗り切るしかない」と話した。 (岩谷瞬)

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