日田彦山線不通地区でEV実験 日田市、住民の足確保へ利便性検証

西日本新聞 夕刊 中山 雄介

 大分県日田市は今秋、同市大鶴地区と夜明地区で新たな移動手段「次世代モビリティ」導入に向けた実証実験を行う。九州豪雨で被災したJR日田彦山線の不通区間の両地区は過疎化、高齢化が進んでおり、住民の足確保だけでなく復興の象徴にもしたい考え。

 市は、路線バスの充実していない市周辺部の新たな交通手段としてコスト面や環境面を考慮し、ゴルフ場を走るカートのような電気自動車(EV)の導入を検討。昨年3月には国土交通省も同市大山町で低速のEVを走らせる実験を実施したが渋滞が発生したため、市は交通量が比較的少ない両地区の市道で効果を調べることにした。

 EVの定員は運転手を含め7人で、時速20キロ未満。バスに比べ小型で小回りが利き、細い路地まで乗り入れられるため、住民の自宅そばまで送迎が可能。バス停まで歩くことが難しい高齢者の利用を想定している。

 実証実験は、JR今山駅を中間地点にした市道約7キロを中心に実施する。2台のEVを大鶴地区方面、夜明地区方面からそれぞれ発車し、運行する。運行方法は今後詰めるが、前日までの事前予約に基づき、ルートを決定し、乗車希望者の自宅近くまで送迎する予定。今山駅付近では国道を走る日田彦山線の代行バスとの乗り継ぎも試し、採算性や利便性を確認する。

 約1カ月実施し効果が認められれば、2021年度に両地区で本格導入する。認知度が高まれば、別の地域での導入も検討する。

 EVは窓がなく開放感があり、景色を楽しめるのが特徴。日田彦山線は、車窓からサクラや菜の花など季節の花々が楽しめたことから、ゆっくり走るEVでのどかな風景を楽しんでもらい復興も印象づける狙い。原田啓介市長は記者会見で「新しい切り口での観光につなげられないかと思っている」と期待を込めた。 (中山雄介)

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