感染防止か、国会議員の責務か れいわ・舩後氏の国会欠席巡り論議

西日本新聞 総合面 鶴 加寿子

 新型コロナウイルスへの感染を防ぐため、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦参院議員=れいわ新選組=がしばらくの間、国会の登院を控えた。普段から人工呼吸器を使用しており、「ウイルス感染は命に関わる」と理解を求めたが、インターネット上では「議員失格」などの批判を浴びた。舩後氏は13日、一転して国会に出席する考えを表明した。

 舩後氏は今月5、6、10、11日の参院本会議や、所属する参院文教科学委員会を欠席した。10日の委員会では、25分の質疑時間が割り当てられる予定だった。新型コロナウイルスは持病がある人が感染すると重症化しやすいとされ、自身も過去に何度か肺炎で緊急入院したこともあり、「医療者からの助言も踏まえ、苦渋の判断をした」と報道各社に説明していた。

 しかし、ネット上では「有事の際に職務が果たせない議員は辞職すべきだ」「歳費を返納してほしい」などの厳しい反応が続いた。舩後氏は13日の本会議に出席後、「本日以降、登院活動も行う」「国会議員としての職責、志を果たす」とする文書を出した。国会内で感染者が確認されれば、登院を再度控える可能性はあるという。

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 議員や秘書、職員など大勢の人が毎日往来する国会。新型コロナウイルスの防疫体制はどうなっているのか。

 参院はウイルス感染者が出た場合、議員同士の間隔を空けて着席する案を協議中。空席や傍聴席も活用するとしている。ただ、採決時は自席の押しボタンで投票するため、間隔を詰めて自席に戻る必要がある。かたや、衆院は具体策の協議自体に入れていない。

 福岡市議会など地方議会では、休会や会期短縮の取り組みが相次ぐ。国会でも、舩後氏のれいわは自民党と野党の共同会派に休会を申し入れているが、与野党が協議のテーブルに乗せる気配はなさそうだ。

 自民議員は「国民の安全安心を守るため、わが身を賭して働くのが国会議員。国の一大事に休会はできない」。別の議員は「国会はまだ、健常者の目線が前提になっている」と意識が追い付いていないことを認めた。(鶴加寿子)

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