『石川啄木の過程』 新木安利 著 (海鳥社・2200円)

西日本新聞 文化面

 石川啄木の評伝。当初、親や妻子を顧みず、文学で身を立てようと奔走した啄木は「英雄きどりの天才」だったと著者は断罪する。「欲望自然主義」者で「権勢欲と出世欲」から「多分、威張るタイプ」だったと容赦ない。しかし、妻の家出で「挫折」。以後、26歳で早世するまで貧困や家族制度などの社会矛盾と向き合いながら自己改革した啄木を、「自己の哲学・文学を実行し、[真の詩人]になろうとした」と高く評価する。緻密な考察から啄木の人物像を明快に描き出している。著者は福岡県出身の元図書館司書で『松下竜一の青春』などの著書を持つ。 

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