春へ駆ける炎 大分・由布岳

西日本新聞 夕刊 稲田 二郎

 豊後富士と呼ばれる大分県の由布岳(1583メートル)の麓で12日、野焼きが行われた。寒さ厳しい由布院の盆地に春の訪れを告げる風物詩。炎ははぜながら山肌を駆け上がり、枯れ草に覆われたベージュ色の裾野を黒々と一変させた。

 野焼きは草を焼き払って新芽の成長を促すとともに、害虫を駆除する役割も果たす。由布市湯布院町の温湯(ぬるゆ)区牧野組合の関係者ら約50人がバーナーで枯れたススキなどに火を放つと、瞬く間に炎は燃え広がり、一帯はもうもうとした白い煙に包まれた。新型コロナウイルスの感染拡大により湯布院の観光客は減少しており、関係者は「コロナ禍などの災厄も燃えてなくなれ」と祈った。

 真っ黒い高原は4月下旬ごろには美しい新緑の草原に生まれ変わる。 (文と写真・稲田二郎)

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