コロナ休校、世代分断 親世代「緩和を」高齢者「順守を」

西日本新聞 熊本版 長田 健吾

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として熊本県内の小中高校で続く臨時休校。いつもの春休みと大きく違うのは「自宅待機」の原則の存在だ。子どもたちはストレスを感じ、心配する子育て世代は「原則」の緩和を求める。一方、高齢者の視線は厳しく、熊本市教育委員会には、出歩く子どもたちをとがめるかのような「通報」が相次ぐ。15日で休校2週間。世代間の分断が見え隠れし始めている。

 「外出はだめだと分かっている。春休みまで我慢しようと思っていたけど…」。12日午後2時ごろ、同市のアーケード街。小学5年の男児2人が打ち明けた。「お金はないし、特に目的もない。でも、ずっと家にいるのはきつい。気分転換で、とりあえず来ただけ」。親は黙認したという。

 休校期間中でも、街では子どもたちの姿をよく見かける。市教委が12日の会議で明らかにした休校措置に関する中間報告によると、臨時相談窓口への相談は46件(11日正午現在)。学習面の相談はほとんどなく、「子どもの外出」に関する通報ばかりだという。

 通報者は主に高齢者。大半が「中心市街地やカラオケで子どもを多く見かける」「一斉休校の趣旨を周知徹底して」という内容だ。会議では「家の前で子どもが遊んでいると、隣の家の高齢者から雨戸を閉められた」との事例も紹介された。市教委は「感染すると重症化のリスクが高い高齢者の不安の現れ」とみる。

 一方で、子育て世代からは「自宅にこもりっきりだと、ストレスが心配」と自宅待機の緩和を求める声も寄せられている。市は、「自宅に子どもだけ置いておけない」という家庭の受け皿として、児童育成クラブ(学童保育)を午前中から利用可能にし、受け入れ態勢も強化するなど対策を取ってきた。

 ところが、利用率は低迷している。通常は学童保育登録者の7割が利用しているが、休校期間中は4割ほどに低下し、退会者も出ているという。市教委は「人が密集する学童保育を敬遠したようだ」と分析する。

 留守番続きのストレスを抱え、気分転換に外出する子どもたち。子どもの感染や心の負担を不安に思う子育て世代。感染リスクに敏感になり、外出をとがめる高齢者-。

 市教委は「どの意見も理解できる。高齢者への配慮、子どもたちの健康の両面を考慮して、対応を検討したい」とする。国は公園などで遊ぶことを一部認める見解を示しているが、市教委は「行っていい場所を指定すると、逆に人が集まるかもしれない」と場所の例示には否定的だ。

 外出自粛がいつまで続くのかは見通せない。熊本市の臨時休校は24日まで。そのまま春休みに入る。(長田健吾)

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