いじめ、虐待…大人社会に問う 「子どもたちをよろしく」九州で公開

西日本新聞 吉田 昭一郎

 株式投機に失敗し、アルコール依存症になってドメスティックバイオレンス(DV)を繰り返す父親がいる。ギャンブル依存症に陥り、貧困の悪循環から抜け出せない父親がいる。そうした親たちに追い詰められた中学生たちが同級生同士でいじめ、いじめられる関係に落ちていく。大人社会に数多くの問題を突き付ける劇映画「子どもたちをよろしく」(隅田靖監督)が20日から九州各地で順次公開される。

 元文部科学省の官僚で、映画評論家の寺脇研さん=福岡市出身=が統括プロデューサー・企画を担当。脚本を手がけた隅田監督と3年間議論し、教育行政マンとして直面し見聞きしてきたいじめや貧困事例を織り込んで物語に仕上げた。

 ヒロインの優樹菜(鎌滝えり)は、実母とその再婚相手の義父、義父の先妻との間の子で中学生の稔(杉田雷麟)の4人家族だ。義父は株投機で失敗し収入がない。酒浸りで酔っては妻と稔に暴力を振るう。優樹菜は義父から繰り返し性暴力に遭い、今では会社勤務を装って風俗店で働いている。

 稔の同級生、洋一(椿三期)は父子2人暮らし。父親はボートレースやパチンコに溺れて生活に困窮。洋一の給食費までギャンブルに使ってしまう。夕食はインスタントラーメンという日もある。

 稔は他の同級生たちと登校時、無口な洋一をつかまえてはいじめを繰り返す。ある日、洋一の父親が風俗店の送迎運転手と分かり、いじめに拍車がかかる。稔は姉の優樹菜がその風俗店で働いていることを知り、複雑な感情に陥る。

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