南阿蘇・メルヘン村再建へ 地震被災のペンション、来春にも営業再開

西日本新聞 熊本版 佐藤 倫之

 九州各地のペンション村の先駆けとなり、熊本地震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村河陽の「メルヘン村」が再建に向けて動き始めた。かつてペンションを営んでいた栗原有紀夫さん(55)は第1号として、来春にも営業を再開させたい考え。2月末、現地で行われた植樹祭で「乗り越えなければならないハードルもあるが、一歩を踏み出したい」と決意を述べた。

 高台にある一帯は約40年前、定住・交流人口拡大に向けて官民が整備。6軒が職住一体形式でペンションを営み、人気を集めた。阿蘇大橋の崩落現場にほど近く、熊本地震では全6軒が全半壊した。

 栗原さんが営んでいた「風の丘野ばら」は、洋風の木造2階建てで、両親から経営を引き継いだ。スペアリブが人気で、親子2代にわたり利用してくれる宿泊客も少なくなかった。本震では敷地の一画が崩れ、村内外で避難生活が続いた。

 仲の良かった6軒は地震後、集団移転も検討したが、それぞれ事情を抱え、廃業や業種転換など選択は分かれた。栗原さんが現地での再建を決めたのは、かつての常連からの励ましが大きかったという。

 地震後、損壊したペンションの片付けをしていたら、水や食料を持って駆けつけてくれた人がいた。

 地震があった年の暮れ、例年通り、約千通の年賀状を出したら、支援物資とともに励ましの便りが届いた。「私たちばかりではなく、この場所は、お客さんたちにとっても大切なんだなと」

 メルヘン村の入り口に植えられた木はジューンベリー。夏に白い花を咲かせ、秋には赤い実がなり、ジャムにもなる。阿蘇の四季が楽しめた、かつての日常復活を願い、選ばれた。

 再興を誓う植樹祭には、同じように再建を目指す温泉旅館経営者らも駆けつけた。今は両親、妻子の計6人で近くの借家で暮らし、パート収入と貯金を切り崩し生活する栗原さん。「支援と励ましに応えるためにも、これからが正念場」と話した。 (佐藤倫之)

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