サンダース氏の反撃不発? 民主指名争い、初の一対一討論会

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】米大統領選の民主党候補指名を争う中道のバイデン前副大統領と最左派サンダース上院議員が15日、初めて一対一のテレビ討論会に臨んだ。バイデン氏の独走を阻みたいサンダース氏は、社会保障の充実にバイデン氏が熱心でないと批判を繰り返したが、バイデン氏は左派的な政策に一部理解を示すなど、かわされる場面も。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、17日の予備選でもサンダース氏の敗北が続けば、指名争いの終結へ撤退論が強まるとの見方も出ている。

 事実上、一騎打ちの構図となって初の討論会で、サンダース氏は持論の国民皆保険制度を導入すれば、新型コロナ対策としても医療費を巡る中低所得層の不安や負担の軽減になると主張。党主流派のバイデン氏を改革に及び腰の既存政治家と位置付け「(改革に反対する)製薬、保険業界と戦う積極的な動きが見えない」などと厳しく追及した。

 しかし、バイデン氏は「非常事態に国民が求めるのは結果で、革命ではない」「国民皆保険のあるイタリアでは(コロナ対策が)機能していない」と反論。選挙戦から撤退した左派のウォーレン上院議員と意見交換したと明かした上で、経済問題を抱える学生の公立大費用を無償化するなど、左派政策を公約に盛り込むと表明したほか「大統領に就任した場合は副大統領に女性を登用する」と明言するなど、新たな支持拡大策を打ち出して対抗した。

 バイデン氏は演説中に言い間違いが目立つなど、大統領選本戦でトランプ大統領との一対一の討論を不安視されているが、米メディアからは「サンダース氏に引けを取らなかった」といった評価が上がった。

 この日の討論会は新型コロナの感染拡大阻止のため無観客で実施。多数が参加する選挙集会を開けず、ネット上で支持者とやりとりせざるを得ない状況は、大勢に支持を直接訴えて劣勢を挽回したいサンダース氏にとって不利な情勢だ。

 17日に4州で行われる予備選には、影響力の大きい南部フロリダ州が含まれるが、世論調査ではバイデン氏が大きくリード。一方で感染拡大の影響から予備選の実施を延期する州も出始めている。2月末以降のバイデン氏が圧勝する状況が17日も続けば「結果が見えた指名争いは打ち切るべきだという意見が、一気に広がりかねない」(識者)との声もくすぶる。

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