【動画あり】旧陸軍の地下壕跡を一般公開へ 防衛省、四半世紀ぶり

西日本新聞 塩入 雄一郎

「聖断」伝えた陸相室も…

 防衛省は戦後75年の今年、東京・市ケ谷の同省敷地内に残る旧日本陸軍の大本営地下壕(ごう)跡の一般公開を四半世紀ぶりに再開する。壕には陸軍大臣室や通信室、便所、調理場などの跡が残っており、約1億円をかけて修復と耐震化の工事を実施。18日、報道陣に公開した。

 戦時中、現在の防衛省の敷地内には大本営陸軍部や参謀本部、陸軍省などが置かれ、壕は空襲から逃れようと1941(昭和16)年8月から1年4カ月をかけ、地下約15メートル地点に建設された。終戦直前の45(昭和20)年8月、ポツダム宣言受諾を決断した昭和天皇の「聖断」を、阿南惟幾(あなみ・これちか)陸相が将校たちに伝えた場所ともされる。

 壕の敷地面積は約1300平方メートル。幅4・6メートル、高さ4メートル、長さ52メートルの3本の通路と、長さ48メートルの2本の通路が直角に交差する形で設置されている。天井は空襲に備えて厚さ1メートルのコンクリートで覆われ、通気口は爆風を防ぐため途中で屈曲し、地上に石灯籠を置いて偽装も施している。防衛省によると、約200人が生活できたという。

 一般公開は戦後、限定的に行われてきたが、老朽化や耐震性が問題となり、93年ごろを最後にいったん中止された。近年のインバウンド(訪日外国人客)増加に向けた取り組みの一環として、政府が再開を決め、昨年1月から修復工事などを続けていた。4月から公開を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、時期は未定となっている。

 同省広報課の杉山淳紀防衛事務官は「地下壕は戦争の歴史を後世に伝える上で貴重。見ていただいて平和を考える機会にしてほしい」と話している。(塩入雄一郎)

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