「お彼岸の法要は中止させていただきます」…

西日本新聞 オピニオン面

「お彼岸の法要は中止させていただきます」と、お寺から手紙が届いた。新型コロナの影響だ。「法事は繰り延べしても大丈夫ですか」といった問い合わせも次々と。参列者は高齢者が多い。遠方の親戚が来たがらない。そう聞けば「法事の延期もやむを得ません」とご住職

▼所変わってカトリック教会の総本山バチカン。イタリアでの感染急拡大で、大聖堂と広場が閉鎖されている。ローマ教皇の礼拝日には数万人の人々が広場を埋め尽くすのが常だが、先日は教皇が無人の広場に面した建物の中から窓越しに祝福した。世界を覆う病魔には神仏の加護も通じないのか

▼あすは春の彼岸の中日。お供えにするぼた餅は、季節によって呼び名が変わるのをご存じだろうか。一説では、牡丹(ぼたん)の花が咲く春は「牡丹(ぼた)餅」。秋は、彼岸の頃に咲く萩に見立てて「お萩」

▼ぼた餅は、餅のようにぺったん、と搗(つ)く音がしないので、いつ搗いたか分からない「搗き知らず」。これに掛けた言葉遊びで、夏はいつ「着いた」か分からない「夜船(よふね)」、冬は「月」が見えない「北窓(きたまど)」

▼お参りしたお寺の庭で、つぼみが膨らんだ桜の枝にメジロが2羽仲良く止まっていた。桜の季節は目の前だが、花見は自粛ムード。連休も人混みには出ぬように、と

▼握手やハイタッチは駄目でも自分の手を合わせるのはよかろう。合掌して願った。我慢の日々が夜船を待たずに「尽き」るように。

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