飲食店、生き残りに懸命 宴会中止5000人の施設も

西日本新聞 筑後版 平峰 麻由 大矢 和世

立食自粛受け配達に活路

 年度末の宴会シーズンを直撃した新型コロナウイルスの感染拡大で、歓送迎会や謝恩会の自粛が広がり、福岡県筑後地区の飲食店からも悲鳴が上がっている。料理の配達サービスに力を入れたり、飲食代の前払いを客に呼び掛けたりと、各店は生き残り策を模索する。

 小郡市の40代の飲食店主男性は「2、3月の歓送迎会は年末年始に次ぐ稼ぎ時。ここで収益を上げることで、税務署に年間の消費税を納められる」と説明。「融資の返済を待ってくれるような支援がないと立ちゆかない。災害にも等しい状況だ」と嘆く。

 国がビュッフェ形式の食事自粛を呼び掛けたことで打撃を受けたのは、久留米市六ツ門町のバイキング店「アーク」。400人収容のバイキングビュッフェがあり、例年3月は歓送迎会や謝恩会でにぎわう。

 だが2月末から予約取り消しが出始め、これまで千人以上、300万円超のキャンセルが出た。「何を憎んでいいのかわからない」と淵本賢之代表(48)。ビュッフェ形式をやめ、定食を出していたが、30日から当面休業するという。

 久留米市櫛原町の萃香園ホテルでは、結婚式の延期や大宴会の中止が相次ぐ。3月だけで約5千人のキャンセル。鉢盛料理の配達料を無料にして、急場をしのぐ考えだ。

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 客に支援を求める店も。久留米市通東町の沖縄料理店「ゴーヤーキッチン」はインターネットで資金を募るクラウドファンディングを始めた。「公的融資は申請が通るか分からないし、そこまで待つ体力はない。収入を確保しないとつぶれる」と我謝祐樹店主(50)。ネット上で1口2500円の食事券を購入してもらう。食事代の前払いで運転資金を確保する仕組みだ。サイトには寄付者から「1万円分買いました。応援しています」「また必ず食べに来ます」などとコメントが寄せられている。

 スマートフォンなどのアプリ「ごちめし」を開発した福岡市のGigi(ジジ)は、飲食店を救済するサービス「さきめし」の利用を提案する。アプリやウェブサイトから、行きつけや応援したい店に食事代を先払いできる。店側は登録料や手数料がかからない。「今は無理だけど落ち着いたら店に行きたい。そんな思いを伝えるのに最適」と利用した男性(47)。同社の今井了介社長(48)は「一般的なクラウドファンディングより手数料が少なく、短期間で支援できる」と、登録店が少ない筑後地区での活用を呼び掛ける。

(平峰麻由、大矢和世)

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