耳の不自由な方たちに講演をする機会があった…

西日本新聞 社会面 今井 知可子

 耳の不自由な方たちに講演をする機会があった。テーマは世界文化遺産の沖ノ島(福岡県宗像市)。手話通訳がつくが、日常で使わない用語は訳すのが大変だろうなと思い、なるだけ普段の言葉で話すように原稿を書き始めた。

 目で見て分かりやすいように写真をたくさん選び出し、パワーポイントで資料を作った。1ページに写真を1、2枚使い説明も簡潔に。しかし書きながら度々、手が止まる。4~9世紀に島で行われた「古代祭祀(さいし)」、神職以外の人は上陸できない「入島制限」…。今まで記事の中で無造作に使ってきた用語を、説明するのは案外難しいと気付いた。

 優秀な通訳者のおかげで、何とか講演は終えることができた。だが今まで自分が書いた記事は、誰にでも分かる文章だったろうかと考えるようになった。専門用語をそのままコピーするのではなく、思い浮かべやすいように言い換える。類語辞典を手にする機会が増えた。 (今井知可子)

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