院内感染判明の大分医療センター 感染防止と医療、両立困難

西日本新聞 大分・日田玖珠版 岩谷 瞬 井中 恵仁

◆23日まで外来診療中止

 大分市の国立病院機構大分医療センターに勤務する看護師らの新型コロナウイルス感染が20日、判明した。センターには、19日に感染が確認された60代夫婦が以前入院しており、院内感染による感染拡大でクラスター(感染者の集団)が発生した。センターは週末の外来診療を中止した一方、入院患者らの診療は続けており、感染拡大防止と医療体制維持の両立という難しい局面に立たされている。

 「感染経路は不明だが、院内感染の可能性は高い」。20日の記者会見で、県健康づくり支援課の藤内修二課長は言葉を絞り出すように語った。センターには、19日に感染が判明した臼杵市の60代夫婦が入院していた。特に妻は発症後の16日から4人部屋にいたため、「患者や看護師らへの感染拡大の可能性もある」と藤内課長は指摘する。

 妻は7日、夫は8日に発症し、ともに11日から臼杵市内の2医療機関を複数回受診。妻は16日に間質性肺炎と診断され、センターに救急搬送された。夫はその後も医療機関を受診、PCR検査で夫婦の感染が確認されたのは19日。発症から10日以上を要した。

 県によると、夫の症状は軽いが、妻は元々間質性肺炎の持病があり、20日も呼吸困難のため酸素吸入を続けているという。藤内課長は「各医療機関は持病が悪化したと判断し、新型コロナウイルスを念頭に置かなかった結果、PCR検査が遅くなったのだろう」と推察する。

 今後の焦点は院内感染の規模。20日にセンターの女性看護師と女性医療従事者らの感染が確認されたが、行動履歴の調査や感染経路の特定などはこれからとなる。

 センターはホームページで、23日までの外来診療を中止すると公表。休日の救急外来の受け入れも中止した。県によると、現在は入院患者の診療などは夫婦と接触がない医師らが担当しているという。ただ感染者がさらに増えれば、センターの医療体制の維持そのものが危ぶまれる。藤内課長は「感染者の管理と医療の両立が重要。今はまだ医療体制が維持できているが、感染の状況次第では入院患者の転院などもあり得る」としている。

 大分市の佐藤樹一郎市長は20日夕に記者会見し「今まで症例がなく医療機関も判断が難しいと思うが、感染の可能性を十分に考えて対応してほしい」と呼び掛けた。 (岩谷瞬、井中恵仁)

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