ネット炎上、偏見…深刻な“コロナストレス” 「いつまで我慢すれば」

西日本新聞 熊本版 古川 努 長田 健吾

 熊本県内で1例目の新型コロナウイルス感染が発生して21日で1カ月となる。この間、男女計7人の感染が判明。県や熊本市などによると、感染経路はおおむね把握できており、感染拡大はある程度抑え込まれている。しかし、ウイルスへの警戒や恐怖心から、感染者が出るたびにネット上で、現実社会で、偏見や批判が一気に燃え上がる。「いつまで我慢すればいいのか」。県民の“コロナストレス”は深刻さを増している。

ネット炎上、偏見も

 県内では2月21日の感染1例目以降、3月4日までに6人の感染が判明。家族内や職場での感染とみられるケースのほか、集団感染が疑われる大阪のライブや「さっぽろ雪まつり」への参加など、感染経路はおおむね特定できている。

 4日以降は新たな発生がないまま約2週間が経過。熊本市は市内を「終息に向かいつつある地域」とし、“コロナ後”に視線を向け始めていた。

 6億円規模の地域経済浮揚策の発表、熊本市動植物園(東区)や熊本城の特別公開の再開準備…。だが、19日夜、県内7例目の感染が市内で確認され、楽観論は吹き飛び、市有施設の再開は先送りされた。

 「ご夫婦でスペインバルセロナに旅行されていました」。この7例目の記者会見後の19日午後9時53分、大西一史市長がツイッターにこう書き込むと、コメント欄は荒れた。

 「こんな身勝手な人がいる限り、予防なんてできません」「処罰レベルでは?」「動植物園も延期やし。バチ当たれ」。一斉休校、外出自粛、イベントや卒業式の中止、衛生用品の品薄…。とがった言葉の陰には、日常生活を乱され、無期限の我慢を強いられるストレスが見え隠れする。

 「ただのリンチだよ」「つらいのは病気になった人。悪いのはウイルス」。幸い、徐々に冷静な書き込みも増えたが、瞬間的にバッシングが湧き上がったのは、今回だけではない。

 県内感染1例目の20代女性が勤務する病院や、6例目の40代女性が勤める介護施設では、職員や利用者までもが偏見にさらされた。家族が登園拒否や出勤停止を求められ、安全確認後も影響が残った。

 一方、20日のツイッターにはこんな言葉も踊った。「朗報」「わー!よかった!」。一時重篤化していた1例目の女性の回復が伝わったからだ。終わらないマスク着用、手洗い、消毒の日々。県民は明るい話題を渇望している。 (古川努)

     ◇     ◇

1例目の女性看護師、病状は回復し軽症に 60代母親は退院

 熊本市は20日、県内で1例目の新型コロナウイルス感染者となり、一時重篤化していた同市東区在住の20代女性看護師の病状が回復し、軽症となったと明らかにした。

 市によると、2月21日に感染が判明し、同25日に重篤化。今月9日に人工呼吸器を外し、重篤な状態を脱していた。

 また、この女性と同居する60代の母親は20日、PCR検査で陰性と判断されて退院した。 (古川努)

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7例目20代主婦の会社員夫は陰性 夫婦でスペイン旅行

 熊本市は19日深夜、県内7例目の新型コロナウイルス感染者となった20代主婦=同市東区=の会社員の夫について、濃厚接触者としてPCR検査を受けたが陰性だったと発表した。8~14日に夫婦でスペイン・バルセロナを旅行し、14日に帰国していた。

 市によると、夫婦は14日に成田空港に到着し、空港近くのホテルで1泊。15日に空路で熊本空港に戻り、タクシーで自宅へ直行したという。

 女性は16日朝に発熱などの症状があり、17日以降も続いたため、自宅で療養していた。19日に夫が市内の帰国者・接触者センターに相談し、夫の運転で医療機関を受診。検査で感染が確認された。軽症という。

 夫は、17日午前にいったん出勤したがすぐに帰宅。その後は自宅にいたという。市は、移動に使った航空便やタクシー会社を調べ、接触者の把握を進める。 (古川努、長田健吾)

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