本当にコロナ?突然の採用辞退 実習生を送り出す側の事情とは

西日本新聞 一面社会面 古川 幸太郎

進まぬ開国~特定技能導入1年(上)

 「2人がコロナに感染し隔離された。もう日本には行けない」。ベトナム人技能実習生を受け入れるはずの福岡県内の建設会社社長(46)に、送り出し機関からそんな連絡があったのは2月上旬のことだ。

 6月には福岡市博多区の再開発関連工事を請け負う予定。社長は繁忙期を前に人材を求め、ハノイに飛び、実習生の採用を決めたが、唐突に立ち消えになった。

 連絡があった当時、新型コロナウイルスがベトナムで流行しているという情報はなかった。2人はもともと賃金の高い都市圏で働く希望が強かった。当初から“サクラ”として採用面接に交じっていたのかもしれない-。社長の胸にはそんな疑念も渦巻く。

 政府は昨年4月、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、在留資格「特定技能」を人手不足が深刻な建設を含む14業種で創設した。ただ、資格を得たのは今月13日時点で4738人にとどまり、最大4万7千人程度とした政府の受け入れ見込みを大きく下回る。

 社長は慌ててインターネット上で面接を実施。なんとか実習生を確保したが、繁忙期に間に合うかは微妙だ。「せめて特定技能制度が使いやすければいいのだが…」。人手不足感が強まり続ける中、不満が募りつつある。

  ◇   ◇

 「労働開国」とも呼ばれた特定技能の導入からまもなく1年。送り出し国、受け入れ企業、地域の変化を追った。

 

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ