机の上にはがきが積み上がっていた…

西日本新聞 社会面 野中 彰久

 机の上にはがきが積み上がっていた。「西日本読者文芸」欄への作品投稿はがきで、千枚以上ありそうだ。担当者は短歌、俳句、詩、川柳の選者ごとにはがきを仕分けし、月2回の締め切りの後に選者の元へ発送する。

 投稿者はシニアを中心に10代から90代までと幅広い。寝たきりのお年寄りも介護者に代筆を頼んで作品を寄せる。

 本欄について、選者の一人で俳人の秋尾敏さんが俳句専門誌「俳壇」2月号につづっていた。自身の世界観から多少の精神的な屈折を伴う作品を選ぶことが多いが、地域性のある句も楽しみだという。例えば「踏青(とうせい)や石人石馬(せきじんせきば)走り出す」(福岡 下村幸子)。千葉育ちの秋尾さんには「『石人石馬』のイメージが明確にならない」が、いちいち「ネットで確かめ」、しばし未知の土地に思いをはせる。

 いくつになっても枯れない表現への情熱を、選者たちは労を惜しむことなく丁寧に受け止めている。(野中彰久)

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