古里の野生動物被害「何とかしないと」 東大卒元塾講師が協力隊員に

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

 福岡県みやこ町の地域おこし協力隊員に23日、同町出身で東京大文学部卒の元塾講師、谷森太輔(だいすけ)さん(34)が就任した。帰省時、実家付近に出没する野生動物の多さに異変を感じ、農産物被害防止とジビエ特産品づくりで故郷に貢献したいと協力隊に応募したという。町の有害鳥獣解体・加工施設と農産物直売所に勤務する。

 谷森さんは町の山間部、犀川上高屋(さいがわかみたかや)の出身。京都高(行橋市)から東大に進学。卒業後は東京で産業経済紙やITベンチャー企業に勤めたが、みやこ町に住む家族の事情で7年前に帰郷し、北九州市で進学塾の講師をしていた。

 たまに戻る実家付近では「シカやイノシシが堂々と車道を横切っていて、野生動物が気味が悪いくらい人里に侵入している。何とかしないと」と痛感。町のホームページで協力隊員募集を見つけ今年2月に応募したという。

 町によると2018年度、町内では約580万円分の農産物が有害鳥獣の被害に遭った。町営の加工所では毎年、計150匹程度のイノシシとシカを処理している。谷森さんの仕事は加工所での解体・加工やジビエ特産品開発、直売所「よってこ四季犀館」での販売や市場調査などだ。

 動物の解体は未経験だが、特に不安はないという。いずれ猟銃やわなの免許を取り、猟友会にも加入したいと張り切る。ただ、農作物を守るためとはいえ「命を奪う側としては、せめておいしく加工して町のために役立てねば」。また、新聞記者やITの経験を生かし「町のメールマガジンを創刊し、町外に出た人たちに故郷の食をPRしたい」と抱負を語る。

 任期は1年更新の最長3年間。町の協力隊員は7人目、現職は2人になる。井上幸春町長は「大歓迎だ。できる限りの応援をしたい」と話した。 (石黒雅史)

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