頂点へ「3倍努力」 柔道女子代表・素根輝選手 東京五輪延期

西日本新聞 社会面 末継 智章

 柔道競技で男女を通じて日本代表第1号だった女子78キロ超級の素根輝選手(19)=福岡県久留米市出身=が追い求める夢舞台も遠のいた。五輪代表に決定した昨年11月以降、東京や母校の南筑高(同市)などで調整を続けていたが、最近は母校も同市の要請で部活動ができず、素根選手も練習場が使えないため実家で待機していたという。延期の報に関係者には「引き続き稽古を頑張ります」と伝えた。

 素根選手が田主丸中1年だった2013年に東京五輪開催が決定。自国開催の五輪での金メダルを夢見ると、世界のトップレベルに追いつくために座右の銘の「3倍努力」を欠かさず続けてきた。1日約6時間の練習以外も動画で自身やライバルの試合を研究する日々。環太平洋大に進学後も続けたストイックな取り組みが実り、個人戦で初出場となった昨夏の世界選手権で優勝した。昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会も制してつかんだ五輪切符だった。

 全日本柔道連盟(全柔連)が五輪に向け、十分な準備期間の確保を目的につくった早期内定のシステムを生かし、担ぎ技に磨きをかけるなどもう一段階のレベルアップに着手。3月の国際大会で成果を確かめる予定にしていた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止になり、実戦機会が消滅。「準備していたのに」と落胆し、今後にも不安を抱えていた。

 早期内定のアドバンテージが消滅しただけでなく、延期後も五輪代表の権利は維持されるのか不透明だ。もう1年「3倍努力」を続けられるか-。全てを柔道にささげて「東京五輪の先は今のところ考えられない」と集中してきた19歳が厳しい試練に直面した。 (末継智章)

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