「地に落ちた気分」…肩落とすチケット当選者 東京五輪延期

西日本新聞 社会面 黒田 加那 庭木 香充 吉田 真紀

 東京五輪が1年程度延期されることになった24日、九州の市民の間には「仕方ない」という空気が広がる一方、高倍率の抽選をくぐり抜けたチケット当選者からは「1年後なら行けないかも」「抽選はやり直しになるのか」といった戸惑いの声も上がった。

 「このご時世だから延期は仕方ない。中止や無観客にならないだけよかった」。7月24日に予定されていた開会式のチケットに当選していた福岡市の40代女性は複雑な表情を浮かべた。

 昨年5月、家族4人がそれぞれチケットを申し込んだところ、女性だけが当選。当たったのは2枚で「多感な時期に世界の祭典を体感することが人生の大きな一ページになる」と、4月から高校1年になる長女と行く予定だった。来年夏は大学受験に向けた基礎固めに大事な時期。長女は「本当に見に行けるかな」と不安な様子だという。

 佐賀市出身で東京在住の小学4年無津呂(むつろ)彩夏さん(10)と歩君(6)のきょうだいは、ラグビー7人制を観戦する予定だった。日本が初の8強入りした昨年のラグビーW杯にも足を運んだファン。彩夏さんは「福岡堅樹選手が好き。競技を引退し医師を目指すと聞いているので、一生懸命応援しようと思っていた」と残念そう。歩君は「延期は悲しいけど、1年後に精いっぱい応援する」。父で弁護士の幸憲さん(50)は「安全面など万全の態勢で臨んでほしい」と話した。

 現段階では、当選チケットが1年後も有効なのか、払い戻しの有無など詳細は不明だ。

 8月5~7日に予定されていた陸上競技や、卓球の男子団体3位決定戦など計12枚のチケットを購入した福岡市の女性会社員(35)は、家族4人で観戦しようと、8月4~6日泊のホテル代計17万円を支払い済みという。「やっと見つけたホテルだったので、高額でも即決した。全額払い戻ししてくれるのか…。有頂天だったのに地に落ちた気分」と肩を落とした。 (黒田加那、庭木香充、吉田真紀)

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