1878(明治11)年3月25日、東京・工部大学校。天井に設置された…

西日本新聞 オピニオン面

 1878(明治11)年3月25日、東京・工部大学校。天井に設置されたアーク灯から青白い光がほとばしり、講堂をくまなく照らし出した。日本で初めて電灯が公の場で点灯した瞬間だ。これにちなんで、きょうは「電気記念日」

▼翌79年にエジソンが白熱電球を実用化。82年に最初の電気街灯が銀座にともった。86年には国内初の電力会社も誕生した。近代国家へと進む日本を支える電気の時代が始まった

▼今では、私たちの暮らしに、あらゆる経済活動に、一瞬たりとも欠くことができない電気である。それだけに、国民の信頼を前提に電気料金を徴収し、電気を安定供給して公益を担う電力会社の役割と責任は重い

▼その信頼が泥にまみれた。原発が立地する町の元助役から、関西電力役員ら75人が総額約3億6千万円相当の金品を受け取っていた、と第三者委員会が報告した。原発関連工事発注の「見返り」とされる

▼癒着は30年以上続いていた。2018年に社内調査した結果も、報道で明らかになる昨秋まで公表せず、放置していた。原発停止による業績悪化で一部カットした役員報酬を、電気料金を値上げした後、元役員に補填(ほてん)していたことも判明した

▼電気記念日のシンボルマークは、光を両手のひらで包み込み、電球の形にしたデザインだ。それが真実を覆い隠している姿に見えるのが悲しい。光を当てて照らし出すべきは、原発マネーの闇だ。

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