残念な思いの半面、ほっとした気持ちも…

西日本新聞 オピニオン面

 残念な思いの半面、ほっとした気持ちも。新型コロナの感染拡大で今夏の東京五輪が1年程度延期された。準備してきた選手やスタッフ、聖火リレーのランナー、観戦を楽しみにしていたファン…。ショックや失望、困惑などで心は揺れ動いていよう

▼国内外の状況を見れば、今夏の開催は無理か、と素人目にも。見通しが立たないまま、不安を抱えて準備を続けるのは、誰にとっても良いことはない。聖火リレーが始まるギリギリのタイミングでの決断となった

▼中止だけは避けられたのが何よりだ。来年に希望をつなぐことができ、安堵(あんど)した人も少なくなかろう。もちろん仕切り直しを迫られる選手や関係者の苦労は察して余りある

▼東京五輪を最後に引退を表明しているベテラン選手の言葉が胸に響く。「大好きな競技生活を一日でも長く続けられることをポジティブにとらえ、心身ともに成長する時間にしていく」

▼競技者も観客も楽しむ-。スポーツ本来のあり方を思い出し、前を向いて1年を過ごしたい。ただし「1年後」は確約ではない。コロナの猛威が収まらねば、再延期や中止もあり得る

▼このところ「コロナ疲れ」「コロナ慣れ」などといわれる。催しが再開され、花見に大勢が押し寄せる光景も。感染者は増え続けているのに。一斉休校で引き締まった警戒感が緩みだしていないか。五輪を東京で開くためにも、いま一度気を引き締めよう。

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