響灘に洋上風力「適地」 福岡県が国に情報提供 促進区域指定へ一歩

西日本新聞 ふくおか版 竹次 稔

 福岡県は北九州市と芦屋、岡垣両町沖の響灘を、洋上風力発電普及法に基づく国の「促進区域」の候補地として国に情報を提供した。対象海域は遠賀川河口から北側の海域で、海底にタワーを固定する着床式を想定している。複数の関係者によると、参入の意向を示す企業があるという。同市沖では先行して洋上風力の計画が進んでおり、響灘が促進区域に選ばれれば北九州地域が国内有数の洋上風力の拠点となる可能性がある。

 西日本新聞が県に情報公開請求し開示された資料によると、対象海域は海岸から約3・5~15キロに広がる1500~2千ヘクタール規模のエリア。水深は30~60メートルで、総出力10万~20万キロワット(1基5千キロワットで20~40基)の拠点を想定している。

 県は情報提供に先立ち、県北の沿岸6市3町に調査を実施。北九州市と芦屋、岡垣両町以外は「具体的な計画がない」(福岡、糸島両市)などと回答した。

 促進区域を巡っては、政府が昨年末、長崎県五島市沖を初指定。2020年度以降、さらに指定箇所を増やすため、政府は都道府県に新たな情報提供を求めていた。

 北九州市若松区沖では、九州電力グループなどによる「ひびきウインドエナジー」社が総出力22万キロワットの洋上風力について22年度に設備などの建設を始める。市は若松区響灘東地区の港を整備し、風力関連の重量部品の保管・組み立てを行ったり、設置作業船の拠点港にしたりする「基地港湾」化の計画を進めている。

 県は促進区域の候補地にこの海域を選んだ理由として、関係する3自治体では洋上風力推進に一定の理解があり、同市の基地港湾にも近いことを挙げている。

 ただ促進区域に選ばれるには利害関係者を交えた協議会の設置見通しが必要だ。県が漁業など地元関係者と本格的な調整に入るのはこれからで、一定の時間がかかるとみられる。

 また国連教育科学文化機関(ユネスコ)は世界文化遺産の構成遺産への「視覚的な影響」を排除するよう求めており、西側海域に世界文化遺産の「沖ノ島」があることも大きな課題となりそうだ。 (竹次稔)

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