「逆風の中の逆風」観光や製造業、先行き見通せず

西日本新聞 総合面 石田 剛 井崎 圭 布谷 真基

 訪日客の増加や自動車生産の好調など「アベノミクス」の恩恵を受けてきた九州でも、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への打撃が深刻度を深めている。観光関連をはじめ幅広い業種で売り上げが減少。製造業にも影響が波及しており、先行きは急激に不透明さを増している。

 「これまで経験したことのない減収だ。率直に驚いている」。JR九州の青柳俊彦社長は25日の記者会見で厳しい表情を見せた。3月1~23日の鉄道収入は前年同期比半減。この状況が1年以上続けば「今まで通りの経営はできなくなる」と危機感を募らせる。

 西日本鉄道も3月のバス、鉄道の売上高見込みが前年同月比3割減。倉富純男社長は「未曽有の事態。逆風の中の逆風だ。今は我慢するしかない」と話す。

 九州の8空港の国際線は、1月末の週444往復からほぼ全面運休の状態になっている。2月の九州への外国人入国者(クルーズ船を除く)は前年同月の3割にとどまった。九州の百貨店売上高は昨年10月の消費税増税後、今年2月まで5カ月連続前年割れが続く。

 昨年の生産台数が約145万台と過去2番目の高水準だった九州の自動車産業も逆回転を始めた。トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は需要減で4月前半に9稼働日で一部の生産ラインを停止。日産自動車九州(同県苅田町)も3月の土日は稼働を停止している。

 製造業の工場や商業施設にガスを供給する西部ガスの道永幸典社長は「暖冬に加え、工場の稼働減や商業施設の営業縮小など販売減は避けられず、非常に憂慮している」と懸念を強めた。 (石田剛、井崎圭、布谷真基)

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