「安静に」とは我慢すること【きみとさいごまで】

西日本新聞

 今回から3回に分け、犬が急に体調を崩したときの原因や、その対応を紹介していきます。

 まず「ぐったりしている」「呼んでも反応がない」とき。こんなときは脳梗塞や心筋梗塞、心臓や循環器の病気、内臓疾患、感染症、薬物中毒が考えられます。命の危険もありえます。

 脳梗塞や心筋梗塞だと呼吸が静かで、眠っているように動きません。内臓疾患は吐血や下血を伴うことがあります。

 これからの季節は熱中症も原因になります。呼吸が荒く、体がほてるのが特徴。水風呂や全身をぬらすことで応急処置をしてください。

 薬物中毒は、除草剤がかかった草をなめると陥ります。泡を吹いて倒れることも。食べた物を吐くときや、水を大量に飲むと要注意です。いずれも、すぐ病院に行きましょう。

 次に、急に立てなくなったり、ふらついたりするとき。原因で多いのはヘルニアです。重症度によって治療は変わりますが、軽度なら注射や投薬、安静にすることで回復するようです。

 ここで大事なのは安静の考え方。病院で「安静に」と言われたのに、部屋で自由にさせ、腕に抱いて外出する飼い主がいます。でも、これは違いますよ。

 安静とは、やっと身動きできるくらいの最低限の広さで飼うこと。「狭くてかわいそう」と思うでしょうが、これでいいのです。これで1、2カ月後に立てるようになるか、それとも自由にさせて半身不随にさせるのか、よく考えてください。

 ミニチュアダックスフントの雄、チャッピーちゃん(15)は昨年、突然立てなくなりました。食欲はあるし血色もいいのに、腰を触ると嫌がります。病院に行くとヘルニアでした。

 安静が必要だったので、木の枠で作ったボックスで過ごしました。広さは大人の枕ほど。散歩もだめです。トイレはボックス内で。ストレスで耳をかきむしり、お尻の周りをかむのでうんでしまって-と大変でしたが、1カ月半くらいで回復しました。今は普通に歩けます。

 安静とは、こんな我慢が必要なのです。かわいいからこそ、心を鬼にして見守りましょう。

  (老犬ホーム「トップ」代表)

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