悩み抜いた先にある「理想の最期」【きみとさいごまで】

西日本新聞

 前回に続き、ペットの理想の最期を考えます。犬の立場で見ると、どんな形が望ましいのでしょう。

 老衰で痩せ、食事に介護が必要になり、寝たきりになっても頑張っている犬がいると、「そろそろお迎えが来て、楽になれるといいのにね」と話すことがあります。つらいことです。

 寝たきりになったときのほか、悩むのは、がんや慢性疾患が進んだときです。胃腸のがんは吐血や下血をして数日後に死ぬことが多いようです。でも、がんの種類によっては、知らないうちに症状が進んで長い闘病生活に入ります。どこまで治療や介護をするのか。飼い主も医師も、私たちも悩みます。

 医療の進歩で治療方法はいろいろありますが、公的な医療保険はなく、費用がかかります。病気でやせ細っても、お金をかけて命をつなぐのか。ある程度で治療を打ち切るのか。おそらく正解はないのでしょう。

 欧米では老衰で立てなくなったり、病気が進行したりすると、驚くほど早く安楽死を選ぶようです。でも日本はペットを家族のように考えるので、獣医師も安楽死は嫌います。私たち老犬ホームも、よほどでないと選択しません。

 一番「幸せだな」と思うのは、こんな最期です。散歩をし、ご飯をしっかり食べた後、昼寝をしたまま天国へ-。実際にありますが、寝ているような顔をしていて、死んだことにすぐ気付かないこともあります。

 飼い主の入院で預かったヨークシャーテリアの雌、マミーちゃんがそうでした。老化が進んでも元気でしたが、夕方の散歩が終わり、ご飯の準備をしている1時間ほどの間に息を引き取っていました。15歳でした。スタッフも気付かない、安らかな旅立ちでした。

 残念ながら、こんな最期ばかりではありません。老衰や病気で弱ったペットをどうみとるか。飼い主なりに悩み、考え、手を尽くすしかありません。そうして出した答えなら、ペットたちも納得して旅立ってくれるのではないでしょうか。 (老犬ホーム「トップ」代表)

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