ペットロスを受け入れる【きみとさいごまで】

西日本新聞

 「ペットロス」とは、ペットを亡くした飼い主の喪失体験や悲しみのことをいいます。近年、よく聞くようになりました。

 人が飼う動物はその昔、狩猟のように人間の作業に使われる「使役動物」が大半でした。それが次第に、かわいがる「愛玩動物」になり、家族や友達のような「伴侶動物」と呼ばれるまで扱いが変わりました。少子化や核家族化といった人間社会の変化もあり、ペットを家族と捉える人が増えています。

 家族と同じように過ごすからこそ、別れの悲しみは大きくなります。ペットロスは愛情の深さゆえに起こるのです。

 では、どう対応すればいいでしょう。生前は、病気で急死するのを防ぐため定期的に検査を受けることです。交通事故への注意も大事。心の準備がないまま、突然死んでしまうと、ペットロスに陥りやすくなります。

 それでも、いつかは別れが訪れます。その場合は、思い切り泣いて死を受け入れる▽生活リズムを変え、寂しくないようにする▽新しいペットを飼う-が一般的。最も立ち直るのが早いのは新しいペットを飼うこと。息を引き取る前から、新しく迎え入れておくのが理想です。

 ただ、飼い主が高齢だったりすると難しいことも。うちでお預かりしている途中、16歳で死んだ柴犬の雄、たろうちゃんの飼い主がそうでした。家族全員が落ち込みましたが、新しく迎え入れるのは身内が高齢のため難しかったようです。

 ご家族はたろうちゃんがいなくなっても、2年ほどは遊びに来ました。うちにいる犬たちと遊んだり、たろうちゃんを思い出して泣いたり。そのうち、心の整理ができたようです。

 愛犬がいなくなると、散歩をしていた夕方、触れ合っていた夜のひとときなどに、思い出が湧いて悲しくなるでしょう。ペット以外に打ち込めることを見つけるのも大切かと思います。

 私たちもホームで月に3、4匹とお別れをしますが、やはりつらいし慣れません。いっぱい愛情を注ぎ、後悔のない一生を送ってもらって、死後に「ありがとう」と言えるお付き合いをする。それがペットロスを防ぐ方法かもしれません。

 (老犬ホーム「トップ」代表)

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