ペットと過ごす楽しさ【きみとさいごまで】

西日本新聞

 これまで、年を取ると現れる犬の老化や認知症、病気のことを書いてきました。飼い主の皆さんも、かなり不安に思われたかもしれません。でも、ペットと過ごす毎日はとにかく楽しく、発見も多いのです。

 どんな犬も、いたずらをする日があります。それも生活のスパイスです。私たちは平均50匹をお預かりしていますが、やんちゃな犬の方が印象に残ります。叱りたいこともありますが、「ごめんね」という感じで「伏せ」をしたり、舌でぺろぺろなめてきたりすると、つい許してしまいます。遊んでほしいサインということもあるからです。

 毎日の散歩や食事、トイレなどの世話は面倒かもしれません。でも散歩は健康にいいし、家に帰った時に駆け寄ってくると「1人じゃないんだ」と思えます。心の癒やしになります。

 飼い主同士の交流も生まれるでしょう。散歩中、同じように犬を連れた人と「犬談議」に花が咲き、新しい友達付き合いが始まるかもしれません。たまにいつもと違うコースを散歩すると、普段見ない景色を眺めることになり、これも飼い主にとって発見や刺激になるでしょう。

 うちにいるチワワの雄、トマトちゃん(13)は、飼い主のおばあちゃんが高齢者施設に入ることになり、やって来ました。おばあちゃんは1人暮らしでつえを突くほど足が悪いのですが、「トマトちゃんのため」と毎日散歩をしていました。トマトちゃんも足のことが分かるのでしょう。散歩ではリードを引っ張らないのです!

 おばあちゃんは家の中で何度か転倒して骨折し、入院しました。でもトマトちゃんに会うためリハビリを頑張り、そのたび退院しました。今は私のブログを施設で見て、トマトちゃんの写真があると喜んでいただいています。「会いたい、会いたい」と。それほど、愛犬の存在は人にとって大きいのです。

 犬の病気やしつけ、逆に飼い主が病気になったとき。心配は尽きませんが、苦労も楽しみも、そして悲しみも共にするのがペットを飼うということなのでしょう。 (老犬ホーム「トップ」代表)

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