一緒にさいごまで【きみとさいごまで】

西日本新聞

 このコラムも、今回が最終回。犬が高齢になったときの情報や相談先は思ったより少なく、飼い主の皆さんの参考になっていればうれしく思います。

 老化によって起こる病気や、認知症の対応を知ってほしい思いで続けてきましたが、「暗いことばかり書いたかな」という反省もあります。

 ただ、不安を減らす方法はあります。世話が大変だと思ったら、ペットホテルや老犬ホームを利用する。犬の体調が心配になったら獣医師に相談する。このように、身近に頼れる場所をつくっておくことです。

 高齢の飼い主用の民間保険も売り出されるようです。飼い主がペットより先に亡くなった場合、老犬ホームなどに引き取ってもらい、その費用を保険金で賄う仕組み。高齢になってペットを飼うなら、こうした商品を利用する方法もあります。

 最後に、「老犬ホームを運営していて、本当によかった」と思った出来事を紹介します。

 柴犬の雄、ゲンちゃん(15)は認知症で夜鳴きがひどくなり、飼い主の家族も疲れてしまって預かりました。その後、飼い主一家は車で2時間以上かけ、会いに来るようになりました。それもほぼ毎週です。

 飼い主は夫婦と子ども3人。子どもの成人後、みんなで出かけたり、共通の話題で会話したりすることが減ったようです。それが、ゲンちゃんに家族全員で会いに行くのが毎週の予定になりました。大人になった子どもと、その親。ゲンちゃんを通して、家族が絆を結び直したように思えました。

 ペットは毎日を楽しくしてくれ、寂しいときの支えにもなってくれます。さらに、家族の関係もよくしてくれるんですね。

 ペットを飼うと、つらい別れが訪れることもあるでしょう。「きみとさいごまで」という思いで、後悔がないよう愛情を持って接してください。そうすれば、ペットの方も「あなたとさいごまで」と、思いを返してくれると感じています。

 コラムを読んで電話をいただいたり、手紙をいただいたり、とても励みになりました。長い間、ありがとうございました。

 (老犬ホーム「トップ」代表)

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