「思い届けたい」ファン試行錯誤 HKT月足、異例の無観客卒業公演受け

西日本新聞 古川 泰裕

 新型コロナウイルスの感染拡大により全国の学校で卒業式の中止・縮小が相次いだ今春、大きな影響を受けた「もうひとつの卒業式」がある。福岡市を拠点にしたアイドルグループ「HKT48」のメンバー月足天音(20)の最後のステージだ。通常であれば、ファンの盛大なコールに彩られる「卒業公演」だが、感染拡大を防ぐため動画配信限定の異例の無観客ライブになってしまった。8年以上活動するHKTにとっても初の事態。応援し続けてきたファンは「推しメン」をどう送り出すのか、30日の公演まで試行錯誤を続けている。

 卒業公演を2日後に控えた28日。福岡市内でファン有志の男女数人が、ツイッターで募集した月足へのメッセージを代筆していた。本来ならば、劇場公演のロビーなどでファンに書いてもらい「推しメン」に届けるものだが、コロナ禍の影響で公演が休止。卒業企画を立ち上げた月足ファンたちが悩んだ末にツイッターで呼び掛けていた。

 無観客となった卒業ライブ。声を張り上げ、最後の「天音」コールができなくなったファンの無念は小さくない。「悲しいというか、つらいというか。配信だけでも、歌って踊る姿が見られるなら…」。ファンの一人は言葉を絞り出した。

「いつ開催できるか…」

 HKTの4期生として約4年間活動してきた月足は、今年2月12日の劇場公演でグループからの卒業を発表。3月30日の公演を最後に、アイドル人生に区切りをつけることを明らかにした。

 「できる限り多くの公演に出て思い出を増やしたい」と考えていた月足。だが、未知のウイルスによって、その機会はことごとく奪われた。2月26日から3月22日までの劇場公演は休止となり、ファンと最後のふれあいの場所であった握手会も延期された。

 SKE48高柳明音やAKB48峯岸みなみら、同時期に巣立ちを予定していたAKBグループの他のメンバーは、卒業そのものを延期した。

 だが、月足は当初決めた通り、30日を限りにアイドル活動に終止符を打つと決断。卒業公演は動画配信限定で配信されることになった。延期をしなかった理由は「本人の意向」と説明された。27日には動画配信サイト「SHOWROOM」に本人が登場。「無観客になってしまってごめんなさい。延期という話も出たけど、いつ開催できるか分からないままでいるのは…」と心境を吐露した。

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