熊本県と熊本市病床確保に着手 感染急増に備え

西日本新聞 熊本版 壇 知里 古川 努

 熊本市の温浴施設で新型コロナウイルスの集団感染が確認され、県と同市の保健当局は緊張感を高めている。最悪の事態として、東京や海外のような急激な感染者の増加も想定されるからだ。最優先すべきは、県民の命を危うくする「医療崩壊」の回避。県と同市は病床確保に先手を打ち、広域医療連携の仕組みづくりにも着手。患者の隔離が可能な結核病棟の活用の検討も始めている。

 「今、感染爆発という状態が熊本で起こった場合、間違いなく医療崩壊を起こす。助かる命も助けられない」。大西一史熊本市長は28日の記者会見で、強い表現で「警告」を発した。

 県内では同日現在、感染者11人のうち3人は退院し、入院中は8人。同市内の感染症指定医療機関で新型コロナウイルス感染者に対応できる病床は計8床。今は「満杯状態」(市関係者)という。

 ただ、これまでのような緩やかな増加に対応する余力は十分ある。県によると17日現在、新型コロナウイルス感染者が入院可能な病床として計218床を確保。このうち感染症指定医療機関分は42床で、176床は公的医療機関などに協力を求めたという。

 「最悪の事態」となると、現段階では病床数も医療スタッフも、人工呼吸器などの医療機器も不足する。国の計算式を使うと、県内の推定感染者数は、ピーク時に1日当たり入院3329人。うち重症患者は112人に上る。

 そこで県は、隔離設備が整っている結核病棟を新型コロナウイルス患者に転用できないか検討中。全国的な結核患者の減少に伴い病床数に余裕があるという。入院中の結核患者を1カ所に集約するなどの措置は必要で「そう簡単な話ではない」(県健康危機管理課)との見方もある。

 熊本市は、高度医療が必要な重症者と、隔離と健康観察が中心の軽症者で医療機関を「トリアージ」(振り分け)する広域的な医療連携も模索する。県と同市は山積する課題の優先順位を見極め、医師会や大学との連携も強めながら「まずは重症者に対応できる態勢を早急に整えたい」とする。(壇知里、古川努)

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