外出自粛の福岡、日曜の商店街閑散 天神コア閉店セールには行列も

西日本新聞 一面 諏訪部 真 布谷 真基 古川 努 岩佐 遼介

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて外出自粛が要請された福岡、熊本両県では29日、繁華街などで週末のにぎわいが陰りを見せた。商店街は高齢者の姿が見られず閑散。百貨店も客足が鈍った。一方、福岡市・天神の一部の商業施設は、若者を中心に行列ができるほどの盛況ぶり。両県では同日も新たな感染が確認され、市民生活の混乱は終わりが見えない。

 29日午後3時すぎ、天神の新天町商店街は人通りがまばら。婦人靴店の60代女性は「お年寄りは重症化しやすいと言われているから出てこないのでは。40代以上が対象の品ぞろえなので厳しい」と通りを見つめた。

 いつもは家族連れなどでにぎわう天神の百貨店も客足が遠のいた。岩田屋と福岡三越を運営する岩田屋三越によると、国内でコロナ感染が広がって以降、客数は通常より3割程度減っており、「29日はさらに落ち込んだ」という。JR博多駅にあるアミュプラザ博多などは、通常より3時間早い午後5時に営業を終えた。

 交通機関の利用者も激減。西鉄福岡(天神)駅の職員は乗降客数について「いつもの日曜の半分くらいではないか」。JR博多駅前の大博通りは、車の通りがなくなる時間帯もあった。

 熊本市中心部の老舗呉服店「帯屋」は、卒業式中止によるレンタル着物のキャンセルで苦しい経営を強いられている。田中士郎店長(46)は「『コロナ前』と比べると人通りは半分以下。自粛要請は当然だと思うが、商売人としては熊本地震直後よりもきつい」と話す。

 一方、31日の閉店に合わせてセールを開いている福岡市の天神コアには、開店前から若者たちが並んだ。知事の外出自粛要請が前夜だったこともあり、同市の専門学校生原田亜由美さん(19)は「東京で大変なことになっているのは知っていたけど、福岡の自粛要請は知らなかった」。女子高校生(16)も「人混みでも特に怖さは感じない」と話し、友人と買い物に向かった。

 天神コアの担当者は「積極的に来館を呼び掛けられない」と複雑な表情。セールのテレビCMは中止を検討しているという。最終日の閉館セレモニーも、すべての客が退店後に館内からネット配信することにした。

 屋外なら感染リスクを避けられると判断してか、北九州市小倉北区の小倉城には、桜のそばで写真を撮ったり酒を飲んだりする花見客が集まった。同市戸畑区の60代男性は「人口90万人以上の北九州市で、3人しか感染が確認されていない。確率的に感染するとは思えない」と話した。 (諏訪部真、布谷真基、古川努、岩佐遼介)

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