「子ども食堂」に初めて来た頃、その男の子は人と接するのが苦手だった…

西日本新聞 社会面 河野 賢治

 「子ども食堂」に初めて来た頃、その男の子は人と接するのが苦手だった。当時3歳くらい。部屋の隅に座り込み、手で両耳を押さえていた。大声を出すことも。発達障害の疑いがあったという。

 大分市で毎月、この食堂を開くスタッフに聞いた話。男の子は母親と1年ほど通ううち、様子が変わった。折り紙で飛行機を作ると、お年寄りが「上手ね」と褒めてくれる。違う年齢層の子も寄ってくる。部屋の隅を離れ、どの席でも座れるようになった。

 子ども食堂は貧困家庭を支え、こんなふうに多くの人と交流もできる。母親はわが子を心配し、それまで一緒に外出するのを控えていた。心が安らぐ空間ができ、喜んだ。

 新型コロナウイルスの猛威が止まらない。ここも3月は中止になった。残念だが、終息したら、親子でまた元気な顔を見せてほしい。子ども食堂は親にも子にも高齢者にも、食だけでない何かを与えてくれる。 (河野賢治)

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