動画でつながる卒業公演 HKT無観客…「気持ち届ける」ファン工夫

西日本新聞 夕刊社会面 古川 泰裕

 新型コロナウイルスの感染拡大により全国の学校で卒業式の中止・縮小が相次ぐ中、影響を受けた「もう一つの卒業式」がある。3月30日夜に予定される、福岡市を拠点にしたアイドルグループ「HKT48」のメンバー月足さん(20)の「卒業」公演だ。通常であれば、ファンの盛大なコールに彩られるが、コロナ禍を受け動画配信限定の異例の無観客ライブとなった。直接「ありがとう」は伝えられないけど何かできないか-。ファンも「卒業式」に向け知恵を絞っている。

 HKT4期生として約4年間活動してきた月足さんは今年2月、3月30日の公演での卒業を発表した。その後、国内で感染が広がり、最後のライブは無観客となった。月足さんはツイッターを通じ「まずは卒業公演ができるってことにすごく感謝しています」と心境をファンに伝えた。

 28日、福岡市内でファン有志の男女がツイッターで募集した月足さんへのメッセージをカードに書き写していた。本来なら、劇場公演のロビーなどでファンに書いてもらいメンバーに届けるものだが、公演休止で呼び掛けることができず、ツイッターを使った。

 数人で手分けして代筆しても、数時間かかるほど集まった。「卒業おめでとう」「会いに行けなくて残念」「ずっと最高の推しです」。思いがあふれ手紙のような長文もあるが、カードの裏面も使い丁寧に書き込んでいった。

 メッセージカードはまとめてアルバムにする予定。フラワースタンドや横断幕など、ファン有志が卒業公演に向けて作った「記念品」を会場に置いてもらえないか、運営会社と検討を続けているという。

 卒業企画を取りまとめるファンの男性は普段は会社員。休みを利用して公演や握手会に通い、笑顔と元気をもらってきた。最後に「天音」コールで送り出すことができなかったのは心残りだが「感染拡大防止に社会全体で取り組む中、無観客でも卒業ライブができるならば、それだけでありがたい」とうなずく。「気持ちよく卒業してもらうために、自分たちのできることをギリギリまで」。「推しメン」のために心を尽くす。(古川泰裕)

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