トランプ氏、自粛要請を延長 4月末まで、批判受け方針転換

西日本新聞 国際面 田中 伸幸

 【ワシントン田中伸幸】トランプ米大統領は29日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国民に外食などを控えるよう求めている自粛措置について、30日までだった期限を4月末まで延長すると発表した。急激に悪化した経済の立て直しを急ぐため、4月12日にも自粛緩和に踏み切る構えを見せていたが、十分な防止策を講じなければ死者が10万人以上に達する可能性があるとの専門家の指摘を受け撤回した。

 トランプ氏はホワイトハウスでの記者会見で、既に2千人を超えた国内の死者数が2週間後にピークを迎えるとの見通しを示し、自粛緩和方針は「強い願望にすぎなかった。多数の死者を出す事態を避けたい」と釈明。自粛要請期間の延長に理解を求めた。

 トランプ氏は今月16日、感染拡大防止に向けて国民の社会活動を制限し、接触の機会を減らすため、レストランでの外食のほか、旅行や10人を超える集まりなどの自粛を求める15日間の行動指針を発表。複数の州政府も事実上の外出禁止令を出すなどしたことから、経済活動が急停止状態となり、株価が暴落し失業者が急増する事態に陥った。

 11月の大統領選を前に経済再生を急ぎたいトランプ氏は23日、自粛措置を緩和する意向を表明。その後、4月12日のキリスト教の「復活祭(イースター)」にも実行できないか検討した。

 しかし、早期に緩和すれば感染者がさらに増える可能性が高まることから、連邦議会や州知事などから与野党を問わず「拙速すぎる」と批判が続出。政府対策チーム内からも異論が上がり、主要メンバーの医師、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は今月29日、対策を怠れば死者が「10万~20万人の間になるだろう」との見解を示した。

 トランプ氏は会見で、自粛措置の延長によって6月1日前後には、米国が回復への道を歩み出すとの見通しを示した。死者を10万人以下に抑え込めれば「(政府として)良くやったと言えるのではないか」とも述べた。

 

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