「再審無罪のバトンつなぐ」 冤罪被害者が92歳女性にエール

西日本新聞 社会面 河野 大介

 「アヤ子さんの命あるうちに、再審無罪のバトンをつなぎたい」。大崎事件で冤罪(えんざい)を訴えてきた原口アヤ子さん(92)の弁護団が4度目の再審請求を申し立てた30日、翌31日に再審公判の判決を控えた西山美香さん(40)をはじめ、各地の冤罪被害者たちが鹿児島市に駆け付け、入院中の原口さんにエールを送った。

 元看護助手の西山さんは2003年、入院患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪に問われたが、再審無罪が確実となっている。「好きになってはいけない刑事を好きになって(虚偽)自白してしまった」と振り返る西山さんは、軽度の発達障害がある「供述弱者」とされる。大崎事件でも、犯行を自白した親族3人には知的障害があった。

 大崎事件が起きた年に生まれた西山さんは、昨年10月に原口さんと初めて顔を合わせた。40年以上、否認を貫いてきた原口さんを差し置いて、先に自分が無罪判決を受けていいのか胸を痛めたという。「早くアヤ子さんと『普通の女性』として、あの時は大変だったね、頑張ったね、と言いたい」と話した。

 茨城県の布川事件で再審無罪となった桜井昌司さんは「同じ痛みを体験した仲間として原口さんの無念が一日も早く晴れることを願う」とする「冤罪犠牲者の会」の声明を読み上げた。

 原口さんは、15年の第3次請求時は鹿児島地裁の職員に直接請求書を手渡したが、入院中の今回は字を書くことも難しく、長女(65)が請求人となった。申し立て後の報告集会で長女は「事件から40年、本当に長すぎる。本人は気迫は変わらず持っているが、もう92歳。4次請求が、この日本の裁判の在り方を変えるものになってほしい」と訴えた。 (河野大介)

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