「心折れそう」塾や施設の利用断られ…コロナ風評被害、苦しい胸の内

西日本新聞 社会面 岩谷 瞬

大分の医療機関職員家族ら

 新型コロナウイルスの集団感染が起きた大分市の国立病院機構大分医療センターを巡り、職員の家族が保育園や福祉施設などの利用を断られる例が相次いでいる。施設側としては感染拡大を防ぐための対応だが、風評被害を訴える声も出ている。センターの女性職員は西日本新聞の取材に応じ、「心が折れそう」と苦しい胸の内を明かした。

 女性の親は大分県内の福祉施設でデイサービスを利用していたが、「家族にセンター職員がいる」との理由で通所を断られた。その後PCR検査で女性の陰性が判明。利用は継続できたが、今度は利用者らから「うつされたら困る」と陰口をたたかれ、通うのをやめた。

 女性によると、他にも保育園から通園を拒まれるなどの対応を受けた同僚がいるという。ある学習塾は今月下旬、大分市内の2校で「感染拡大防止のため」として、感染や濃厚接触の有無にかかわらず、センターで働く家族がいる子どもには、春季講習中の通塾を控えるよう呼び掛けた。塾は取材に「対応については回答しない」としている。

 センターではこれまでに医師や看護師、転院した患者ら計24人の感染が判明し、外来診療を中止。入院患者への診療は感染していない医師や看護師らが続けており、女性もその一人。「肉体的にも精神的にもぎりぎり。現場の職員や家族らのつらい立場も分かってほしい」と訴える。

 風評被害を訴える相談は県や大分市に多数寄せられているという。県担当者は「正確な検査と感染経路の調査、安全確認を続け、正しい情報を発信するしかない」と話している。 (岩谷瞬)

大分県の天気予報

PR

大分 アクセスランキング

PR

注目のテーマ