小学校で習う漢字は約千字。高学年になるほど難しくなる…

西日本新聞 オピニオン面

 小学校で習う漢字は約千字。高学年になるほど難しくなる。親は子の尻をたたいて机に向かわせようとする。それでも、この人の番組が始まると、子は勉強そっちのけ。テレビの前で笑い転げた。そんな時代もあった

▼コメディアンの志村けんさん。新型コロナウイルス感染で急逝の悲報に、衝撃の声が広がった。数々の人物に扮(ふん)したギャグに加え、近年は動物の命と向き合う番組なども手がけ、幅広い年代から親しまれていた。ご冥福を祈りたい

▼人物といえば、漢字の「備」を復習したい。へんは人、つくりは箙(えびら)(矢を携帯する容器)を模す。つまり、常に武具を身に着けた人の姿。そこから不測の事態に「そなえる」意を表す

▼感染症に対する心の準備、法令の整備、マスクや消毒液の常備、医療機器の配備…。どれもが不十分だった。備、準、整、常、配はいずれも小学校で習う漢字。大人が知りませんでした、では済まない

▼この春、臨時休校で多くの子どもや学生が学びの場を失った。卒業、入学、就職の門出を迎えながら、祝典や歓送迎会の見送りで落胆した人も少なくないだろう

▼感染症との闘いは続く。世の中が沈んでいる時こそ笑いやユーモアも必要。なのに志村さんが…と思わずにいられない。けれども、ここは大人がいま一度元気を振り絞り、若者に「頑張れ」「大丈夫だ」のエールを送らねばならない。あすから4月。新年度が始まる。

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