保険販売で違反疑い2206件 かんぽ不正

西日本新聞 社会面 飯田 崇雄

 日本郵政の増田寛也社長は31日、東京都内で記者会見し、かんぽ生命保険日本郵便による保険の不正販売を巡り、約1900万人の顧客を対象に実施している約3千万件の全契約調査で、法令や社内規則に違反した疑いのある契約が22日時点で2206件に上ったと発表した。優先的に調べてきた約18万3千件の特定事案調査とは別で、被害の広がりが浮き彫りとなった。不正販売に関わった福岡県などの50代の男性郵便局員2人を30日付で懲戒解雇したことも公表した。

 2206件は顧客からの苦情を基に集計した。販売担当者が虚偽の説明をしていたなどの可能性があり、顧客への不利益が確認できれば、保険料を返還するなどの対応を取る。

 特定事案調査は、保険の乗り換えに伴い、保険料を二重に支払わせていたケースなどが対象で、25日時点で法令違反が251件、社内規則違反が2782件の計3033件になったと発表。2月末時点の計2170件から大きく増加した。

 10件以上の多数契約や、保険料が月10万円以上の多額契約を結んだ約6万人を対象にした「全契約の深掘り調査」(約22万件)では、多数契約の調査で22日時点で連絡が取れた4863人のうち、4割以上の2003人が意向に沿わないと訴えているという。

 日本郵政と日本郵便、かんぽ生命の3社は、不正販売の責任を明確にするため、本社や支社などの管理職約3850人について、2020年度の夏の賞与を約5%減額する。

 保険不正販売の調査を優先し4月以降も営業自粛する影響で、20年度に日本郵便が金融商品の販売を通して受け取る手数料が19年度計画と比べ1千億円以上減る見通しも示した。

 増田社長は会見で、21年度からのグループ中期経営計画の策定で、郵便局員の削減が検討課題の一つになるとの認識を示した。全国の局員を1万人削減する案が浮上していることには「経費節減は人員削減ありきではない。逆に言うと1万人でいいのかどうか多様な議論があると思う」と述べた。 (飯田崇雄)

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