「実は、乗ってたんです…

西日本新聞 ふくおか都市圏版 川口 史帆

 「実は、乗ってたんです」。先日、取材で知り合った男性が小声で切り出した。新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船に、高齢の両親がいたという。2人は無事に帰宅し、感染もしなかった。「幸いでしたね」と声を掛けると、表情が曇った▼帰宅後2週間は一歩も外に出ず、食料は家族が玄関先に届けた。大変だったのはその後だ。久しぶりに散歩した直後、「ばい菌」との中傷を耳にした。近所の子が「コロナ団地」と指さすのを見た。家にこもり、体調を崩した▼幸い、友人たちが一緒に散歩してくれるようになり、元気を取り戻しつつあるそうだ。同じ思いをした人は他にもいるだろう。感染と不安が広がり、せき払いにも鋭い視線が向けられる今、人ごとではない。傷つける側には絶対になるまいと思う。 (川口史帆)

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