コロナ感染拡大、専用病床が切迫 不足の福岡では一般病床活用も

西日本新聞 一面 泉 修平 内田 完爾

 新型コロナウイルスの感染者数が九州でも急増し、専門的に治療する感染症病床の不足が深刻化している。感染症法では感染者は重軽症にかかわらず感染症指定医療機関への入院が原則だが、1日までに78人の感染が確認された福岡県の指定医療機関は12カ所で計66床にとどまり、一部患者は自宅待機を余儀なくされている。一般病床では感染対策の徹底などが容易でなく、今後、感染者が増え続ければ医療崩壊につながる可能性も指摘される。

 同日に21人の感染が確認された北九州市。担当者は一部の感染者が指定医療機関への入院の調整ができず、自宅などで待機していると明かした。北橋健治市長は「医療崩壊を絶対に防ぐためにあらゆる努力をする」と危機感をにじませた。

 福岡市は1日までに28人の感染を確認。4人は退院したが、市内の感染症病床(8床)は満床が続き、3月下旬からは一般病院に入院するケースも出始めた。

 福岡県や福岡、北九州両市、医師会などは3月31日、広域で入院先を調整する本部を設置。県は、感染者の受け入れを県内87の医療機関に要請するなど病床確保を急ぐが「確保した一般病床数は積み上げていない」(県担当者)という。

 40床の感染症病床を持つ大分県では、医療機関で集団感染が発生した際、無症状者など一部の感染者を一般病院に入院させた。県の担当者は「重症者向けに感染症病床を空けておく必要がある。今後は指定医療機関に入院した患者でも、症状が改善すれば一般病院に移すことも考えないといけない」と話す。

 国は、感染症病床が不足した場合の対応として、(1)指定医療機関の一般病床(2)一般の協力医療機関と公的医療機関(3)その他の医療機関-の順で受け入れ要請する目安を通知。感染者が急増している都市部では一般病床の確保が進んでおり、東京都や大阪府は感染症病床を含めて500~600床を確保したと発表した。

 一方で、一般病床での受け入れには院内感染や風評被害を懸念する声もある。福岡県内の医療関係者は「患者が入院した際の対応に不安を感じている職員も少なくない」と神経をとがらせる。県関係者は「病院にはそれぞれの事情があり、使うか分からない病床をあらかじめ空けておいてもらうのは簡単ではない」と話した。 (泉修平、内田完爾)

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