「店内を消毒」デマ拡散された店困惑 感染者の情報公開、対応難しく

西日本新聞 筑後版 平峰 麻由

 新型コロナウイルスの感染者が確認された福岡県久留米市で、一部の店について「感染者が働いていた」「店内を消毒していた」などの虚偽の情報が出回っている。客足に影響する店側は否定した上で、デマの拡散には法的措置の構えを見せる。ただ「感染者に関する情報不足も背景にあるのでは」とも指摘。市側は「発症前の行動歴は公表する必要がない」との立場で、プライバシー保護などの観点からも難しい問題をはらんでいる。

 久留米市で初となる20代女性の感染が発覚した3月31日夕方、会員制交流サイト(SNS)のツイッターで「カラオケアメリカ上津店」(同市本山1丁目)が名指しされ「防護服を着た人が消毒作業をしていた」との投稿があった。投稿はインターネットを通し拡散。江崎丈浩店長(40)によると、店に問い合わせの電話が数件あったという。

 実は、店は今月1日から飲食店などを原則屋内禁煙とする改正健康増進法の全面施行に合わせ、3月30、31日に喫煙室設置の工事をしていた。「作業員を見て消毒と勘違いしたのかもしれないが、真偽不明の情報を拡散するのは悪質だ」と江崎店長。ただ、「感染を怖がる気持ちは分かる。市が行動歴をもう少し説明してくれれば、ここまで疑念を招かずに済んだのではないか」とも話す。

 同じように「感染者がアルバイトしていた」などの虚偽投稿をされたのが、カラオケ店近くの「スターバックスコーヒー久留米上津バイパス店」(同市野伏間1丁目)。こちらも3月30日から3日間、外壁清掃など店舗改修のため臨時休業していた。スターバックスコーヒージャパン(東京)広報担当は「スタッフに感染者が出た場合はホームページなどで公表している。今回は関係ない」とした。

 市は行動歴を明かさない理由を「周囲への感染リスクは発症してから高まるといわれている。リスクが少ない発症前の具体的な行動歴や固有名詞を公表すれば、過剰な不安をあおり別の風評被害を生む可能性がある」(保健予防課)と説明。「クラスター(感染者集団)につながる可能性があると認められる場合は、発症前の行動歴も公表する」とした。 (平峰麻由)

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