福岡よかとこビジネスプランコンテスト 筑豊から2人入賞

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 福岡県筑豊地区で新規事業を志す女性2人が、県内での創業希望者を対象に事業計画を競った2019年度の「福岡よかとこビジネスプランコンテスト」(県主催)で入賞を果たした。香春町の村上夕子さん(42)と赤村の長瀬加菜さん(40)で、ともに社会問題の解決や全国での販売を視野に、地元の資源を生かして独自の商品を開発した。

 村上さんは「新たなエコ包装資材」として、パンを包んで持ち運べる柿渋染めの「蜜蝋(みつろう)バゲットバッグ」を、長瀬さんは「小さな村から安心・安全な食の提案」として、米粉と豆乳を使ったドリンク型離乳食「大地のミルク」を開発。96件の応募があったコンテストで、それぞれ「チャレンジマインド賞」、「地域活性化賞」を受賞した。

 「バッグ」の生地はオーガニックコットン。パン店を営み、プラスチックごみ汚染に問題意識を持つ友人から「環境に優しい、汎用(はんよう)の包みものはできないか」と相談を受けたのをきっかけに、服飾の世界でデザイナーとして経験を積み、香春町地域おこし協力隊で活動する村上さんが地元の天然素材にこだわった商品づくりを始めた。

 柿渋の原料は、香春町特産の「あま干し柿」として使用されない“傷物”や間引きされた渋柿。井戸水とでつくる染料を使い、日差しを当てる「太陽染め」で染め上げた後、町内の養蜂場産の蜜蝋でコーティング。袋状に縫製して仕上げる。柿渋と蜜蝋で防水、防腐や抗菌、抗酸化作用などの効果が得られ、洗って繰り返し使えるという。

 「大地のミルク」には、3月末まで赤村地域おこし協力隊で活動していた「赤村をオーガニックタウンとして有名にしたい」との長瀬さんの願いがこもる。同村は県内唯一の「有機農業推進モデルタウン」。地元産の無農薬米を原料に長瀬さんが自ら開発し、町内外の既存店やイベント出店で販売実績をつくった米粉と、無農薬大豆による豆乳を使用して製品化した。

 まだ試作段階だが、飲み口の付いた袋状のパウチ容器入りで、生後6カ月以降の乳幼児用の離乳食に加えて高齢者向けの流動食や災害時に備えた非常食としての用途を想定し、赤村を引き続き拠点に長期保存可能な商品に練り上げる。

 村上さんは「製造工程を町全体で分業にすれば、雇用も生まれる。日本全国のパン屋さんに販売したい」と張り切る。長瀬さんは「持ち運べて器がいらず、湯を沸かす手間もなしに食べられる。赤村の素材と人脈を生かし、地元に貢献したい」と話し、年内の完成品販売開始を目標にする。

 事業計画づくりなどを支援した「直鞍ビジネス支援センターN-biz」(直方市)の岡田高幸センター長は「エコバックの次の包装資材を目指す村上さんの先進性、社会的弱者に応える長瀬さんのプラン。地方発のビジネスが大きく飛躍していくことを期待している」とエールを送る。 (安部裕視)

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