「始まる方が怖い」「学力差広がる」…休校延長に不安交錯

西日本新聞 社会面 本田 彩子 金沢 皓介 四宮 淳平

 目前に控えていたはずの新学期スタートは実現しなかった。新型コロナウイルスの感染者が多い地域では2日、学校再開の延期を決める自治体が相次いだ。感染者が計100人に達した福岡県。県立学校は5月6日まで、福岡市立学校は今月17日までの休校延長を決めた。保護者も教員もその判断に理解を示しつつ、家庭で過ごす子どもの学力や体力の低下、受験生の進路への影響を懸念する。年間スケジュールの練り直しも迫られる教員は徒労感を募らせた。

 「少しほっとした。感染が怖くて学校には行かせられない」。小4の娘がいる福岡市の女性(46)は安堵(あんど)する。今後2週間、次女(4)も保育園を休ませ、経営する飲食店を休業して世話をするという。

 同市の女性会社員(46)も「普通に始まる方が怖い」と言うが、自宅にいる小6の娘は運動量が少なく、ゲームばかり。学校が紹介したオンライン学習のウェブサイトも見たが、「種類が多くてどれがいいのか分からない。学校から定期的にアドバイスがほしい」。

 3月2日の臨時休校から丸1カ月。同市立小の50代女性教諭は、子どもたちの顔を見ない期間がさらに2週間以上続くことに「休校延長は最善策だが、家で独りぼっちになっていないかなど心配は尽きない」と話す。新年度の学級編成や担任を児童に直接伝えることもできず、これまでの休校を受けて組み直した年間計画は再考せざるを得ない。「友達と話し、遊ぶことは子どもの成長にとって一番大事。それさえも奪われてしまう事が悲しい」

 さらに1カ月の休校延長が決まった県立学校。40代の男性高校教諭は受験への影響を口にする。「入学式と始業式は開きたかったが…。新学期を始められないのは痛いし、学力の差がどんどん広がる」。別の県立高の40代男性教諭は1カ月以上、顧問を担う部活の指導ができていない。例年なら春の大会に向け練習している時期で「スポーツ推薦を狙う生徒たちはどうなるのか」と頭を抱える。

 例年は教職員の打ち合わせや授業準備で忙しい年度当初の様相も一変した。「校長から年休取得の許可が出た」と福岡市の女性中学教諭は驚く。3月下旬から自主練習を続ける部活もあるが、生徒がいない校舎での勤務は張り合いがない。

 「休校が続くと、教師の働きがいって何なのだろうかと考えさせられる」 (本田彩子、金沢皓介、四宮淳平)

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